「索引」事件簿File.4【コンピューターは漢字に対応できるか?】
1970年代に入ると、国会の業務にもコンピューター導入の機運が高まってきたようです。
当時の国会会議録を調べていくと、国会におけるコンピューター化の焦点の1つが、国会会議録「索引」の機械編纂であったらしい。
たとえば、1970年の参議院の審議では、国会図書館副館長があえて「索引」の編纂を例に挙げて答弁をしています。
(この時の質疑者=木村禧八郎議員は、国会業務へのコンピューター導入を主題としていて、国会会議録や「索引」には一切触れていない)
第63回国会 参議院 予算委員会第一分科会 第2号 昭和45(1970)年4月14日
〇木村禧八郎君(日本社会党)
その次に伺いますが、漢字をコンピューターに乗せることですね。これはまあ相当困難があるんじゃないかと思うのですが、漢字プリンターの開発、生産、これはやっとやり始めたばかりと聞いておるのですが、いまの段階で導入することはどうなんでしょうか。
〇国立国会図書館副館長(岡部史郎君)
確かに、この漢字ということがわが国のコンピューターの利用を困難ならしめる、アルファベットあるいはかなに比しまして。しかし、この漢字のコンピューター化ということが最近において急速に進んでまいりまして、今度図書館に導入するコンピューターのシステムの中にも漢字処理機が入っておるわけでございます。しかも、私どもといたしましては、ことに国立国会図書館といたしましては、どうしてもこのコンピューターの漢字化ということが必要で、しかも実際進んでおりますから、できるだけその方向に進めたいと思います。お手元に差し上げております国会会議録索引、あれなんかも、コンピューター化すればもっと早くお手元に届けられてお役に立つと思っておりますが、ああいうものにつきましてもコンピューターによる編さんをなるべく早く、もう初年度からこれにとりかかる予定にしておるわけでございます。
コンピューターを漢字に対応させることも一苦労だった時代があったわけですねえ。
国立国会図書館、機械化推進の予算を要求
その後も、国会関係予算の説明の中で、「索引」編纂の機械化問題が2回ほど会議録に顔を出します。
第64回国会 衆議院 議院運営委員会図書館運営小委員会 第1号 昭和45(1970)年11月27日
〇久保田義麿・国立国会図書館長
次に、昭和四十六年度予算概算要求の重点について、御説明いたしたいと思います。(中略)
また、業務の機械化のために一億二千五百万円を要求いたしております。これは、おかげをもちまして、明昭和四十六年一月から電子計算機を稼働して、業務の機械化を開始いたしますが、しかし、本年度は、来年一月から三月まで三カ月分の機械借料しか計上をされておりませんので、来年度はこれを一カ年分に延ばし、同時に国会会議録索引の機械編さんをはじめ、予定をいたしております業務の機械化を推し進め、収集いたしました内外の文献情報が、すみやかに利用できるように努力いたしたいと存じます。
第75回国会 衆議院 議院運営委員会図書館運営小委員会 第2号 昭和50(1975)年8月20日
〇宮坂完孝・国立国会図書館長
国立国会図書館の昭和五十一年度予算概算要求の重点事項につきまして御説明申し上げます。
まず、昭和五十一年度予算概算要求の総額は五十一億五千万円でございまして、これを前年度予算額四十四億七千九百万円と比較いたしますと、金額で六億七千一百万円、比率で一五%の増加要求と相なっております。
次に、要求の主なるものについて御説明申し上げます。
第一に、国政審議に資するための機能の充実でございますが、これにつきましては、立法資料の購入費一千六百万円と、調査資料等の印刷費二千七百万円を要求いたします。また、国会会議録索引の電算機入力業務促進のために臨時職員十六名を要求いたします。さらに、調査及び立法考査局に科学技術関係の調査員を三名及び資源エネルギー関係の調査員を一名、計四名の増員を要求いたします。
一方で新たな問題点も
上記のごとく、「索引」編纂の機械化のための予算と人員を要求したところまでは良かった。
が、しかし、、、
その担い手として確保されたのが「臨時職員十六名」だったことが、どうやら別な問題を生んでしまったらしいのです(; ・`д・´)
【続く】