①二荒芳徳氏は声が大きな人物だった?
本会議では登壇して質問をするのが通例。
ところがこのときの二荒氏の質問の冒頭部分を見ると、
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〇副議長(侯爵蜂須賀正韶[1]君) 二荒伯爵の御登壇を望みます―――――
〇伯爵二荒芳徳君 本員の質問は頗る簡単でありますから、自席から御許しを願ひたうございます
〇副議長(侯爵蜂須賀正韶君) 宜しうございます
[1]蜂須賀正韶(はちすか・まさあき) 政治家。侯爵。1871(明治4)年生、1932(昭和7)年没。1924(大正13)年~1930(昭和5)年貴族院副議長を務めた。(参考「20世紀日本人名辞典」)
演壇ではなく、議員席からの発言を許されています。
また、首相答弁に対して二荒議員が再質問を求めた際、今度は議長との間でこんなやり取りも。
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〇伯爵二荒芳徳君 座席から質問いたしたいと存じます―――――
〇議長(公爵徳川家達[2]君) 二荒伯爵の大きな御声なら宜しからうと考えます