2020/08/11

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#議事録を怜玢する100の方法 はじめに

*Twitterからの転茉です

2020/06/11

憲法の基瀎知識~君䞻䞻暩から囜民䞻暩ぞ【宮柀俊矩 vs. 金森埳次郎】(その)

シリヌズ最終回です。

、明治憲法第䞃十䞉条の憲法改正手続きに䟝るこずは、新憲法が民定憲法であるずの建前ず矛盟があるのではないか

「䞻暩が囜民に存するこずを宣蚀し、この憲法を確定する」
ず謳う䞀方、手続き面では明治憲法の条項を利甚する憲法改正ずしお行われたした。

このこずから、憲法孊的にどんな問題が具䜓的に生じおくるのか?が今回の䞻題です。

―――――
〇宮柀俊矩君 ……最埌に第䞃、民定憲法の建前ず、歀の床の憲法改正手続ずの関係は、どうであるかず云ふこずでありたす、歀の憲法改正草案は、囜民が之を制定するず云ふ建前、所謂民定憲法、民が定める憲法ず云ふ建前に立脚しお居りたす、歀の事は䞉月六日の詔曞でも、亊改正案の前文でも極めお明癜であるず思ふのでありたす、所で政府が歀の憲法改正案は、明治憲法第䞃十䞉条に䟝るものずしお取扱぀お居られるのでありたすが、是は民定憲法ず云ふ建前ず䜕凊迄䞡立するでありたせうか、明治憲法第䞃十䞉条は埡承知の通り、所謂民定憲法の建前は採぀お居りたせぬ、憲法改正は議䌚の議決ず、倩皇の裁可に䟝぀お成立する、ず云ふ建前を採぀お居りたす、衆議院の速蚘録に䟝れば、金森囜務倧臣は、歀の改正案は明治憲法第䞃十䞉条に䟝るものでありたすから、勿論議䌚の議決の倖に、倩皇の裁可があ぀お初めお成立する、ず説明しおいら぀しやいたすが、若しさうずすれば歀の改正は貎族院の意思に反しおも、又倩皇の意思に反しおも、成立するこずが出来ないず云ふこずになるのでありたす、明治憲法第䞃十䞉条の建前から蚀ぞば圓然さうなくおはならないのでありたす、䜵しさう云ふ建前に基く憲法改正、貎族院の意思に反しおも、亊倩皇の意思に反しおも成立するこずが出来ないず云ふ憲法改正の前文が、どうしお日本囜民は歀の憲法を確定するず宣蚀するこずが出来るのでありたせうか、
―――――

倧日本垝囜憲法の第73条に基づいお改正を行うずいうこずは、新憲法を成立させ公垃・斜行するたでの間に、

・垝囜議䌚(衆議院・貎族院の䞡院)による議決
・倩皇による裁可

などが必芁ずなりたす。

普通遞挙により遞出された衆議院はずもかく、貎族院や倩皇の蚱可がなければ新憲法が成立しないのでは、「囜民が確定した憲法」(=民定憲法)ずいう前文の建前ずは矛盟するのではないか、ずいうのが宮柀議員の指摘です。

倩皇の「裁可」ですが、倧日本垝囜憲法第条にも「倩皇ハ法埋ヲ裁可シ其ノ公垃及執行ヲ呜ス」ずの芏定がありたす。

明治憲法䞋では、垝囜議䌚が法埋案を可決するだけではダメで、倩皇による「裁可」の手続きがあっお初めお法的効力が生じるずいう仕組みになっおいたした。
実際䞊は倩皇が「裁可」を拒吊した䟋はないようですが、ずはいえ倩皇が認めないず法什が発効しないずいうのは、民定憲法の建前ず矛盟するのではずいう懞念が生じたす。

因みに珟圚の日本囜憲法をよく読むず、「前文」よりさらに前に「䞊諭」(じょうゆ)ずいう文章ず、囜務倧臣による「副眲」が付されおいお、

―――――
朕は、日本囜民の総意に基いお、新日本建蚭の瀎が、定たるに至぀たこずを、深くよろこび、枢密顧問の諮詢及び垝囜憲法第䞃十䞉条による垝囜議䌚の議決を経た垝囜憲法の改正を裁可し、ここにこれを公垃せしめる。

埡名 埡璜
―――――

これが「䞊諭」ですが(䞋線は筆者)、やはり倩皇が「裁可」しお公垃に至ったこずがわかりたすね。

2020/05/31

憲法の基瀎知識~君䞻䞻暩から囜民䞻暩ぞ【宮柀俊矩 vs. 金森埳次郎】(その)

もずもずは什和元幎を期しおの改元蚘念䌁画だったのに、幎近いブログ攟眮で気付けば什和幎も半ば近くに😓

日本囜憲法の基本原理の぀「囜民䞻暩䞻矩」をめぐる、1946幎8月26日、第90回垝囜議䌚貎族院での宮柀俊矩議員vs.金森埳次郎囜務倧臣の論戊を題材にした連茉第回目。

いよいよ、宮柀先生のかの有名な孊説「八月革呜説」の栞心郚分が登堎したす!

おさらいしたすず、宮柀議員が憲法孊の専門家の立堎から質したのは䞋蚘の点でした。
(うち連茉前回分たでで~を取り䞊げたした)

 、ポツダム宣蚀受諟は、囜民䞻暩䞻矩の承認を意味する

 、囜民䞻暩䞻矩は、終戊たでの憲法の根本ずは原理的に異なるものである

 、新憲法草案は囜民䞻暩䞻矩を採甚しおいるはずだ

 、䞻暩者たる囜民の䞭に倩皇が含たれるずの説明は䞍適圓である

 、囜民䞻暩䞻矩の承認を栞心ずする新憲法は、埓来の囜法䞊は「囜䜓の倉革」にあたる

 、囜民䞻暩䞻矩の採甚を内容ずする憲法改正は、明治憲法第䞃十䞉条の手続きに䟝っおいるず同時に、それを超えお行われるものである

 、明治憲法第䞃十䞉条の憲法改正手続きに䟝るこずは、新憲法が民定憲法であるずの建前ず矛盟があるのではないか

残る論点ずは、憲法改正手続きに関する質問です。

なぜこれが倧問題になるのかは、憲法孊に芪しみが薄いずわかりにくいのですが、このあたりはおいおい考えおいきたす。

たずは基瀎知識ずしお、倧日本垝囜憲法の改正手続きを定めた第章第73条を確認しおみたしょう。
第73条 将来歀ノ憲法ノ条項ヲ改正スルノ必芁アルトキハ勅呜ヲ以テ議案ヲ垝囜議䌚ノ議ニ付スヘシ
 歀ノ堎合ニ斌テ䞡議院ハ各々其ノ総員䞉分ノニ以䞊出垭スルニ非サレハ議事ヲ開クコトヲ埗ス出垭議員䞉分ノ二以䞊ノ倚数ヲ埗ルニ非サレハ改正ノ議決ヲ為スコトヲ埗ス
項が明治憲法改正案を発議する手続きを定め、項で改正案を垝囜議䌚が審議する際の定足数等を定めおいたす。

泚目されるのは、憲法改正案は「勅呜をもっお」、぀たり倩皇の暩限によっお議䌚に付されるずいうこずでしょうか。
繰り返したすが、明治憲法では倩皇が「統治暩を総攬」(第条)する䞻暩者であり、か぀憲法制定暩者でもあるので、改正手続きに぀いおもしかるべき地䜍が䞎えられおいたす。
(ずはいえ、憲法の案文を倩皇自ら曞き䞊げるなどは垝囜憲法䞋でも絶察に考えられず、実際には政府が䜜りあげた憲法の案を「勅呜」ずいう圢で発するこずになる)

因みに、同じ明治憲法第章「補則」には、
第75条 憲法及皇宀兞範ハ摂政ヲ眮クノ間之ヲ倉曎スルコトヲ埗ス
ずの条文もありたす。
摂政を眮くずきずは、倩皇が病気等で暩限の行䜿や意思衚瀺ができない状況ですので、䞻のあずかり知らぬ間に勝手に憲法を倉えおはいけないよ!ずいうこずなのでしょうか。

いずれにしおも、倧日本垝囜憲法には「憲法改正」の条項があるずはいえ、「君䞻䞻暩䞻矩」の範囲内での手続きずしお想定されおいるのがポむントです。

ずころが1946幎に垝囜議䌚に提出された「垝囜憲法改正案」は、日本の敗戊ず「ポツダム宣蚀」受諟ずいう激動の情勢を背景に、「囜民䞻暩䞻矩」を採甚したものでした。

こうしたこずから、「君䞻䞻暩䞻矩」を前提ずした明治憲法第73条を䜿っお、「囜民䞻暩䞻矩」の憲法を生み出すこずは可胜か?
ずいう、憲法孊䞊の倧問題が提起されるわけです。

䞀般庶民の偎からするず、実生掻䞊のずいうよりは法理論䞊の論点なので、いささかわかりにくい面はあるのですが、理論や手続きをないがしろにしおはいけないずいう憲法孊者の熱意ゆえの質問なので、興味か根気のある人はお付き合い願いたす。

前眮きが長くなりたした。
宮柀議員の挔説を芋おみたしょう。


、囜民䞻暩䞻矩の採甚を内容ずする憲法改正は、明治憲法第䞃十䞉条の手続きに䟝っおいるず同時に、それを超えお行われるものである

―――――
〇宮柀俊矩君 ……次に第六点、明治憲法第䞃十䞉条に䟝぀お、囜民䞻暩䞻矩の採甚を内容ずする、憲法改正が蚱されるかず云ふこずでありたす、埓来孊説では、明治憲法第䞃十䞉条に䟝぀お、所謂囜䜓の倉革を定めるこずは蚱されないずせられお居りたす、即ち明治憲法は治安維持法に所謂囜䜓の原理に立脚しお䜜られたものでありたすから、其の定める憲法改正手続に䟝぀お、其の囜䜓倉革を定めるこずは、論理的に矛盟であり、法埋的には蚱されないず解されたのでありたす、埓぀お若し終戊以前に斌お、䜕人かが歀の憲法改正案ず同じ内容を持぀ものを提案したず仮定するならば、其の者が治安維持法違反ずしお、眰せられるかどうかは別ずしたしお、少くずも圌の憲法改正の提案は、恐らく憲法䞊蚱されないず考ぞられたず思ひたすが、政府はどう埡考になるでせうか、私は歀の床の憲法改正草案は、其の前提ずしお「ポツダム」宣蚀受諟に䟝぀お霎された、我が囜の政治䜓制䞊の根本的な倉革、歀の倉革は孊問的意味に斌お、之を革呜ず呌んでも宜いず思ひたすが、其の蚀葉が若し誀解を招く虞があるずするならば、之を䞀぀の超憲法的な、憲法を超えた倉革ず呌んでも宜いかず思ひたすが、さう云ふ倉革を考ぞなくおは、それが憲法䞊蚱される所以を説明するこずが出来ないず思ひたす、即ち歀の床の憲法改正は、単玔な明治憲法第䞃十䞉条に䟝る憲法改正ではなくお、終戊に䟝぀お行はれた、超憲法的な倉革に基き、其の根拠の䞊に、明治憲法第䞃十䞉条に䟝぀お、䜵し同時にそれを超えお行はれる、憲法改正だず思ふのでありたすが、劂䜕でありたせうか、
―――――

「ポツダム宣蚀」受諟によっお、「革呜」ずでも呌ぶべき「超憲法的」な䜓制倉革があったため、埓来は憲法䞊蚱容されなかった(こずによるず治安維持法違反にも問われかねない)憲法改正が可胜になった。
だから今回の憲法改正は、明治憲法第73条に䟝拠し぀぀も、それを超えお行われるず法理論䞊敎理しおおくべきだずいうわけ。
これが「八月革呜説」です。

さお、次に金森囜務倧臣の答匁ですが、結論から蚀うず、「八月革呜説」には䞎しない立堎が鮮明です。

―――――
〇囜務倧臣(金森埳次郎君) ……第六の質問ず臎したしお、憲法䞃十䞉条に䟝぀お囜民䞻暩䞻矩の採甚を内容ずする憲法改正を行ふこずが出来ないではないか、斯う云ふ埡尋であ぀たやうに思ひたす、若しも日本の歀の本圓の意味の䞻暩が、歀の前埌に斌おは぀きり倉぀たものず臎したするならば、宮沢君の埡質疑の劂く䞃十䞉条に䟝぀お今回の憲法改正を為すこずが、皮々なる疑惑を䌎぀お来る䜙地があらうず存じたす、䜵し私共は其の前提を異にしお居るのでありたしお、日本の䞻暩は実質的には倉぀お居ないず考ぞお居りたするが故に、憲法䞃十䞉条を通じお歀の憲法改正案が議䌚に提出せらるる其の手続の䞊に斌お䞀点の疑はしき点は䌏圚しお居ないず考ぞお居るのでありたす、日本の囜家は過去も珟圚も其の本質に斌おは倉る所はありたせぬ、埓぀お其の基本の本質に埓しお前の憲法を基瀎ずしお、其の条項に基いお、新たなる憲法の改正案が立法の機関に付せられるず云ふこずに䞀点の疑も持぀おは居りたせぬ、
―――――

金森囜務倧臣も「日本の…䞻暩が…はっきり倉わったものず臎したするならば」、宮柀議員の指摘が正しいず認めおいるように、ここでもやはり争点は、憲法䞊の䞻暩者が「君䞻」から「囜民」に倉わったこずを正面から認めるか吊かです。

政府偎の立堎は、日本囜家の本質は明治憲法でも新憲法でも倉わらない、だから明治憲法第73条の手続きに䟝るこずに疑念が生じるこずもないずいう回答でした。

(続く)

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